「伏 鉄砲娘の捕り物帖」より、信乃と浜路のお話、第2弾です。
pixivに投稿した当時は前後編に分けていましたが、あまり意味も無いのでサイトでは一挙掲載します。
昔から硬い文体でお話を書いている自覚はありましたが、このお話が一番硬いかもしれない。
まるで煎餅のような硬さです。
日本を舞台にした、あるいは和の要素がある作品のお話を書くときは、横文字を極力使わないようにしているので、
こんなバッキバキに硬い文体になっています。
そんでもって、この話の主題は「嗚呼、すれ違い」でございました。
答え合わせはこのすぐ後の最終話でするのですが、信乃も浜路も願っていることは同じなのです。
……ということを手鞠を抱いて祈るところに籠めたのですが、いかがでしょうか。
もう9年も前に書いた話ですし、とても分かり易い暗喩なので書いてしまいますと、
手鞠→子どもの遊び道具、ころころ丸くて可愛いもの……
ということで、浜路も子どもを望んでいるのです。
話の終わりにものすごく直裁に書いた信乃と同じく。
ここまでの浜路は山生まれということもあり、純粋培養の乙女、足跡ひとつない新雪なのでした。
ちなみにですが、途中で出てくる葡萄酒の作り方は(作者自身の)祖父や父から伝え聞いたもので、
本当に運が良ければ葡萄酒が出来上がります。
(今のインターネット知識だとこの程度の情報は調べれば出てきますが、
そういうブドウが生る場所なども含めての昔ながらの口伝でしたね)
ですが、酒税法に引っかかりますので、真似をしていはいけませんよ(念のため)。
次のお話にもお付き合いいただければ幸いです。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
2012.11.26(pixivにて初公開)
2021.5.11(サイト再録)