#映画記録そういえばお盆期間中に観た映画『入国審査』の感想を書くと宣言して書いてなかった。
ので書きます。もう上映館もほとんどないと思うのでネタバレ配慮なしで。
とある若い男女がアメリカのグリーンカード(永住権)に当選し、互いに期待を胸いっぱいに詰めながらスペインから旅立つが、
入国審査で呼び止められて、別の部屋まで連れて行かれて、そこから尋問を受ける話です。
予告編から気になりつつも、何だか怖そうだから観ないだろうなと思っていたが、映画サークルの課題作になったので観たよ。
正直なところ、
下手なホラー映画よりも怖ろしかったです。だけど、77分と映画にしては短めの尺なので耐えられました。
そして映画としては地味な造りです。BGMで盛り上げる訳でもなく、巧みなカメラワークで魅せる訳でもない。
映画じゃなくてドラマのような造りかもしれないし、それと比較したって画面作りが豪華ではありません(実際低予算だったのだとか)。
しかしこの映画は映画館でこそ見るべきだと思う、外と隔絶された狭く暗い箱の中で観てこそ、
ほとんど理不尽とも言える尋問を受ける彼らにより感情移入できるようになるから。
各種サービスでの配信があるならば、できるだけ小さな部屋で、最低限の飲み物だけを手にしての視聴をオススメします。
さて、この映画は海外で絶賛されていますが、しかし政情不安がなく島国である日本においては理解が難しいかもしれない……とされています。
この話、9割くらいは男女カップルの男(ディエゴ)が悪いです、正直悪い男です。
アメリカの永住権欲しさに偽装結婚をしようとした過去があり、今のパートナーであるエレナに近づいたのもおそらくアメリカに渡りたいがため。
しかし、ディエゴの置かれた環境を知ると「アメリカで生きる」というのが切実なものであることもまた見えてきます。
経済破綻し政情も大変不安定なベネズエラで生まれたディエゴは、そこで誘拐されて命の危険に晒されたことさえあるという。
下手を打てば強制送還の危険はあるが、しかし他国の大学で(たぶん)優秀な成績を修めて才能もあるのに故国では生きることすらままならない、
その状況から何としても抜け出して自由と希望の国で生きていきたいという願いは分かる、彼の生存戦略なのだと言われると、もう、何とも言えない感じ。
物語は二人が破綻寸前のところまで追い詰められつつも、入国を認めるという想定内でありつつも想定外の「仕打ち」を告げられて終わりますが、
むしろここからは二人の終わりで始まりなのだと思う、放り投げ出された結末に唖然とするが、
スタッフロールでを見ながらこの後に思いを巡らせるところまでも含めての作品なのだと思いました。
面白かったけど2度は見たくねえ!!って感じの映画でした。